10/9(金)晴
前日買っておいたおにぎり食べて、身支度。
朝5時に予約していたタクシーで出発。ジャンボタクシーの予定が手配ミスで2台に分乗。
6:00 上高地着。登山開始。いきなりニホンザルが出迎えてくれた。
上高地からの「槍沢コース」は、序盤は平地歩きが続く。
白沢出合、徳沢、横尾山荘まで各1時間、つごう3時間のコンクリで固められた道は足に厳しい。
横尾山荘から先はやっと登山道の風情が出てくる。が、まだまだ序の口。
途中一瞬槍ヶ岳の姿が見える。晴れていてきれいに見えた。
槍沢ロッジ到着が10時すぎ、ここでちょっと早めの昼食。
荷物軽くしたいので食材は持参せず、ラーメンを注文して食す。
まあ普通のラーメン、都内でももっとマズイ店はいくらでもある。
ただしここのは1,000円。高いけど高くない。
槍沢ロッジからも、まだまだだらだらとした沢ぞいの登山道。
天気は良かったが、そよそよと涼しい風があって、まあ絶好のコンディション。
大曲の分岐を天狗原方面向かい、ひたすら歩き続ける。
歩く、歩く、歩く、歩く。
長い(笑)。
ロッジを出て3時間くらいで殺生小屋が見えてくる。
我々のルートでは通らない小屋だが、目印があるとちょっと元気が出る。
もうしばらく進むと、本日の目的地、山頂直下の槍ヶ岳山荘の姿も見えてきた。
殺生小屋に向かう道との分岐点にある、播隆窟で一休み。
ここから一気に急坂。になる。
最後の...といってもかなりの距離があるが...登坂路の手前で、リーダーが
「じゃ、山小屋の部屋押さえてくるから」
といってすたすた登り始めたのは驚いた。
途中、霧氷? なのか、氷の花を発見。
最後の難関、ザレ場をジグザグに登山道が続く。
歩いても歩いても、山荘が近づかない(笑)。
止まると足が動かなくなるので、ゆっくりゆっくりと足を動かし続ける。
歩幅は30センチくらいで、前に出した足のカカトと、後ろ足のつま先がくっついている。
気の遠くなるような時間...といってもたぶん1時間ほど。休み休み登っている人と抜きつ抜かれつして、最後あと1/5くらいか、というところでリーダーが小屋から出てきて、上から
「なにやってんだ、気合い入れろ!」
と怒鳴りつけてきた(笑)。
こういう励ましかたしかできない人だとみんな知っているので、苦笑いしつつ最後の踏ん張り。
声出して笑うと頭痛するし(笑)。
先が見えるとさすがに多少足にも力が戻り、ヘトヘトになりながら山莊着。到着は15:30頃。
山荘は標高約3050m。我々夫婦は初の3000m到達。
見事に晴れた天上に、槍の穂先が大きくそびえている。
暗くなるまでにはまだ時間があるので、これから山頂向かうかどうか、協議(笑)。
見事な天気なので今のうちに登っておこう、という意見もあったが、遅れていたメンバーもいたし、まあ10時間歩いて疲れ果てていたのは間違いなく、本日はこれで終了、山頂アタックは翌日に決定。
先に着いたソロの人とテラスでビールを飲みつつ、世間話というか、当日の行程を振り返る。
先に着いた人は、上高地出てすぐに我々を抜いていった若者。
ほぼ一緒に抜いていった若い女性がいて、ペアかと思っていたが、たまたま我々を抜いたタイミングが一緒だったようだ。
その女性は彼が山荘着いたときにはすでに山頂から戻っていて、そのまま大キレット方面に向かい、当日は南岳小屋に泊まるとか。
すげーなー、とか言ってたら、下から小学生が上がってきた(笑)。聞いてみたら4年生。
しかもあとで付近うろうろしていたら、キャンプ地でお父さんとテント張ってた(笑)。
4年生で槍登っちゃったら、中学入る頃には登る山なくなっちゃうんじゃ...。
寒いので小屋入って、着替えて談話室で一杯、本当に一杯で食事の時間(17:30)。
まあ、ちゃんとした食事が出て、美味しいご飯を当然のように2,3杯いただき、満腹。
食堂から出たら薄暗い中、けっこうな人数の団体が到着。
こんな時間に? おいおい無茶なツアーだな、と思ったら韓国の方々でした。
噂には聞いてましたが、すごいパワー。
見てると服装もアーキテリクス、マムート、マウンテンハードウェアといった、高級品がずらり。
アッパー層に属する方々なんでしょう、きっと。
そういえば、北アルプスは初めてなんですが、いままで登ってきた北関東系の山とはひと味違って、おしゃれな若者がいっぱい。
前日の台風でツアー客が全滅(......遭難でなくキャンセルね)したらしく、出会う人々の平均年齢がいつもより30歳くらい若い。
装備も最新で、ダブルストックにハイドレーションが目印(笑)。
うちの夫婦が最年少で、50台後半メインの我々は、いつもなら若手と言ってもいいくらいなのに(ちょっと言い過ぎ)、今回は完全に年寄りチームでした。
がやがやと入ってきた韓国チームを横目に、談話室でもう一杯やって、消灯は20:30でしたが19時頃には全員就寝。温度計見てませんが確実に氷点下。
それでも、ウールの長袖シャツで、特に寒い思いはせずに眠れました。あ、靴下は履いてましたが。
疲れていたとはいえ、この時間に寝るとさすがに途中で目が覚める。
23時に一度目がさめてトイレ、その後2時に目が覚め、意を決して一度外に出てみたら、白い粉が顔につく。
......雪だな、この風の中を舞ってきているのは(笑)。
それでもそれほど寒さは感じず、月や星も時々雲の切れ目から顔を出し、月明かりで槍の穂先がくっきり見える...夜の槍はそんな感じでした。
ガーミンのログ。最初ちょっとロストしてる。
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