5月7日〜5月13日の日記
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5月13日(土)

夕方、オヤジの病院に行くが、私の顔は泣きすぎのため「変形」してしまった。鏡を見て「アンタ誰だよ!」といいたくなった。私のくっきりパッチリの二重まぶたはあとかたもなく一重になり、パンパンにハレたまぶたが重くて、思うように目が開かない。オヤジに
「どうした?」
と聞かれ
「ホレておった役者が死んで泣いた」
と答えた。

オヤジは現在マンガの「バガボンド」を読んでいて続きが読みたいというので、3巻から6巻まで持っていった。同室のジイさんにも

「これは吉川英治の宮本武蔵の、マンガ版だよ」
と教えたら
「オレは吉川英治にはものすごく思い出がある」
と、しばらく文学話になった。やはりオヤジの世代は、宮本武蔵とか、三国志とか、池波正太郎の話をすると盛り上がる。

ガンバレ ボケジィさん!アンタは時々ボケてない。


5月12日(金)

今日は女性セブンのネームの〆切。塩沢兼人のコトで頭がいっぱいで、タイム・リミット3時間前に「ウォォォー」と書き上げたネームは「知人の死」というテーマになってしまった。はっきしいって兼人ネタだ。こんなにロコツに自分の感情を作品にしてしまってよいものかと少々悩んだが、編集さんからOKをもらってしまった(いくら描き直す用意があっても、週刊連載は時間がそれを許さないのだった)。

まぁ…この日記を読んでくれている方は、セブンを読んで「あのコトか」とすぐ気づかれると思うが、「そぉいうコト」です。

わははーん。なんか恥ずかしいぞー。
ネーム中も涙がこぼれて大変だった。


5月11日(木)

朝の8時まで「ウーマン劇場」の仕事。フラフラと寝室に入ると友人から電話。
「お前の好きな兼人が死んだぞ!!」
「うっそーやっだーやめてよー」
…とにかく今の私は仕事明けで気力・体力共にゼロ
「と…とにかく3時間ぐらい寝よう」
ふとんにもぐるとまたもや別の友人から電話
「イサヤマさんの愛するクラヴィス様が亡くなりましたよ!!」
こんな電話が立て続けに4,5本入り、昼過ぎに原稿を渡した後、コンビニで新聞を3誌買って読む。
「塩沢兼人さん転落死」

……えっ? だって私、先週会ったんだよ。いっぱいおしゃべりして、私が帰るとき塩沢さんは
「今年も温泉来る?」
って聞いたんだよ。私はファンとして
「必ずまいりますとも!」
って答えたんだよ。

うわぁぁー!! 泣いた泣いた。とにかく泣いた。新聞の活字で見ると容赦なしだ。

とにかくパニックで、部屋の中を一人で泣きながらゴリラみたいにウロウロして、ファン・クラブの友人に、勤務中だというのに会社に電話してしまった。友人は会社のトイレから電話をかけ直してきて、2人で泣き崩れた。

夕方、あかほりさとるさんからも電話をいただいた。
「水谷(優子ちゃん)がイサヤマさんのこと心配してて…」
「うわぁーん あかほりさん!兼人が死んじゃったよぉーびえぇぇー」
一日中こんな調子で、目を真っ赤に泣きはらして、イトーヨーカドーで安売りホールトマト缶を買っていたのは私だ。卵のパックを手にしながらも、最後にお会いしたときの顔が浮かんできて涙ぐむ。目に涙をためて、しめじ2個入りパックを買う。

しばらくの間…私はうっとおしく泣き続けると思う。今月は泣き虫月間だ。


5月10日(水)

今日はウーマン劇場の10ページのお仕事。3時から理華姉さん登場。理華ちゃんは手先が起用で、最近は私の仕事の作業にすぐ追いついてしまう。私がペンを入れた原稿を仕上げていってくれるのだが、私のペン入れ作業が遅いと理華ちゃんのお仕事がないわけで…ごはんを作ってくれたり、猫トイレを掃除してくれたりする。

年々仕事の手が遅くなる私。
「下絵さえ出来てれば、1日27ページはOK!」
などというのは過去の話になりつつある。ペンだこの出来る位置も変わってきたし、体力の衰えを感じてしまう今日この頃。残尿感のあるお年頃かしら。


5月9日(火)

読者から「なんとなくイヤな手紙」をもらってしまった。まぁ私はいいたい放題の毒舌マンガを書くこともあるのでこぉゆう手紙をもらうこともある。しかたない。

体調がイマイチの時に限ってイヤな感じの出来事が重なるがこれもまた生きてる証拠だ。

最近は晩ごはんの時、西田屋ちんころりんさんと「未来少年コナン」を2,3話見ながらごはんを食べている。いままでコナンをちゃんとは見ていなかったのだが、ちゃんと見ると面白かったんだねぇ。

夜中「デビルマン」を読み返した。


5月8日(月)

きのうの夜から朝の8時まで仕事。寝つきが悪くてゴロゴロしているうちにもうお昼。2時には理華姉さんがアシスタントに来てしまうー。

ボンヨヨーンとしたまま仕事。今回もまた理華ちゃんの仕事の方が早く終わってしまい、私だけが残業だ。

今週は笑ルームとウーマン劇場と女性セブンの3本。

ところで「まんが笑ルーム」は6月発売を最後に休刊する。不景気だなぁー。


5月7日(日)

昼過ぎにオヤジの病院に行った。病室は個室以外は4人部屋になっている。

オヤジは少しポケポケしてはいるものの、歩けるし、筆談もできるがしゃべれない。ジイさん1号は、かなりポケポケしているがしゃべれるし歩ける。ジイさん2号は寝たきりで両手がマヒしているが、頭脳明晰。ジイさん3号も寝たきりだがおしゃべりする…どうやら私、このジイさんたちにモテているようだ…(単に話し相手が欲しいだけだと思うのだが)。
ジイさん1号が

「中央線に飛び込んで死にたい」
というので
「死体がちらばるし、そうじが大変だし、とにかくお金がかかるのでやめたほうがいい」
と言ったら
「それもそうだな…」
と答えた。笑ったよ! ジイさん、聞き分けはよい。
帰ろうとすると
「もう帰っちゃうのか?」
とジイさん2号が言うので、さらに30分みんなでおしゃべりした。

ああ、私のゴールデンウィークはジイさんで幕が閉じてしまった。


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